ドミンゴ

SOLD OUT

例えば、自分が一年のうちで一番好きな季節のある晴れた休日。なぜか寒いでもなく、暑いでもなく、ただただ心地よく目覚めた奇跡的な朝か昼がある。

午後からはなんにも用事はない。誰と会う約束もない。大好きな洋服屋やら雑貨屋を覗きに行ってみてもいいけれど、なんだか億劫で身体が動こうとしない。だから、ベッドに入ったまま目を開けてじっとしている。でもなんだかもうすでにそんな時間が愛おしくて仕方なく、目の前の時間が過ぎて行くのをぼんやりと眺めている。

・・・と、手元にとある本がある。表紙には美しい男性と美しい女性が素敵な微笑みを浮かべた姿。とにかくとびっきり美しい本だ。何気なくペラペラとめくってみると、そこには見ただけで自然と目に染み付くような魅力的なレコードジャケットの数々と、押し付けがましくない上品で丁寧な文章がつらつらと並べられている。

だんだんと読み進めていくうちに、ふと、あなたは気づく。「・・・そういえば、最近、音楽を聴いてないな」と。そしておもむろにベッドから起き上がり、なにかの音楽をかけ、その心地よくて愛おしい一日をどうやら始めようとする。

以上のような条件を満たしてくれる本が、僕の考える「最良な音楽ガイドブック」なのだけど、この『domingo』がまさにそれ、なのです。たぶんそんな本は、古今東西探しても見つかるものではないでしょう。

僕がこの世で最高だと信じて疑わない音楽ガイドブック『domingo』。「晴れ」「曇り」「雨」とテーマ別に、いくにんかの書き手たちが音楽をチョイス。選ばれし音楽はブラジル音楽を中心に、すべてのジャンルにまたがりつつ、それぞれ決して押し付けがましくない文章で自由に語られています。ずらりと並んだジャケットを眺めるだけで飽きの来ない、まぁ本当に日曜日の朝にベッドのなかでペラペラめくるのに最適な本です。